とにかく☆ヨ助のデジタルタトゥー

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月間布教したい曲で賞 2022年6月度版 (CHEEZE、HUS、Cm Cafe、Ginger Root)

 こんにちは、とにかく☆ヨ助です。先月は心の余裕がなく音楽の摂取量が少なくなってしまっていたのですが、今月はまた新旧交えて様々な音楽を楽しむことができました。

 

 というわけで、今月は新譜のみで4曲、ご紹介したいと思います。

 

一曲目 퐁당 (Pong Dang) / 치즈 (CHEEZE)

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 一曲目はCHEEZEというアーティストの『Pong Dang』という曲です。CHEEZEは韓国で数々の人気ドラマの挿入歌などを手掛けるインディーポップアーティストです。もともとは4人組のバンドだったそうですが、2017年からはイ・ヘギョさんによるソロユニットとなっています。

 

 この曲はまずボサノバ調のギターフレーズから始まります。ボサノバは元々ブラジルでサンバから派生した音楽で、ジャズの影響を受けながら発展した独特のリズムやコード進行が特徴なのですが、現代「ボサノバ」と呼ばれる楽曲の多くはジャズの作曲家によって再解釈されたものがルーツと思われるものもたくさんあります。そんななか、この曲のギターフレーズはクラシックなボサノバの特徴が良く捉えられていて、オシャレかつダンサブルなイントロとなっています。

 

 さらにAメロの途中からはトラップ風のリズムトラックが入ります。本格的なボサノバギターの最新ポップスというだけでもかなりアツいのですが、この曲ではボサノバギターとポストヒップホップなポップスとの融合が図られており、ポップスオタクの皆様に於かれましては必聴の一曲となっております。

 

 ちなみに、インディーポップの文脈でヒップホップサウンドを取り入れた楽曲は韓国には数多く存在し、ドラマの挿入歌などを通じて一般にも広く認知されているようです。

 

 

二曲目 HER EWEDDING / HUS

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 2曲目はエレクトロポップユニット、HUSが6月6日にリリースしたシングル『HER WEDDING』です。HUSはもともとHumming Urban Stereoという名義で活動していたイ・ジリンというプロデューサーのソロユニットで、2004年に韓国で渋谷系やラウンジミュージックブームの中心的存在となったユニットです。

 

 この曲はジャンルとしてはLo-Fi HIPHOPに当たるようなノスタルジックでチルなビートが特徴なのですが、北インドの伝統音楽のようなボーカルとハイファイな上モノはHUSのルーツでもあるラウンジミュージックをイメージさせます。Lo-Fiだけど今っぽくなりきらず、リバイバル文化とはまた違った懐かしさを感じさせます。

 

三曲目 วายโอยู (Y.O.U) / CM Cafe

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 3曲目はアイドルユニット・CM Cafeが6月14日にリリースした『Y.O.U』という曲です。CM Cafeは2018年から活動しているタイのアイドルで、ガールズクラッシュ系のアイドルが台頭して久しい昨今に珍しく、ファンシーなモチーフが多く用いられていることが特徴です。

 

この曲は2022年のアイドルらしく、シティポップの影響を色濃く感じさせる曲になっています。オシャレなコードにタイトなリズム、そしてビートの強いベースライン。さらに、1番はBメロからサビの展開がビルドアップ→ドロップなっており、ある意味で昨今のアイドルソングのベタを詰め込んだような楽曲です。

 

しかし、この楽曲はサウンド面でとても面白い曲になっています。例えば、主旋律を担当するシンセブラスはとてもチープ、という捉え方もできると思いますが、ゼロ年代タイアイドル好きの私としてはむしろ、サウンドメイクにおける国・地域間の差が激しかったSNS以前のタイポップスの継承に聴こえます。また、ボーカルの歌い方も変に甲高い歌い方をするわけではなく、舌足らずな雰囲気を出しつつも自然な音域で歌っているように聞こえます。

 

このように、国外アイドルの潮流と歩調を合わせつつもタイアイドル界の文脈もしっかりと受け継いだハイブリッドな楽曲だと思います。

 

四曲目 Loneliness / Ginger Root

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 最後にご紹介するのは、アメリカ・カリフォルニア州出身のソロアーティスト、Ginger Rootがリリースした最新シングル『Lonliness』です。Ginger Rootはシティポップや80,90年代のアニメ・アイドル文化などといった日本のポップカルチャーに強い影響を受けているアーティストで、今作でも日本のテレビ番組やアイドルの細部をパロディしたオタク感あふれるMVが見どころです。

 

この楽曲は架空のアイドル・竹口希美子に提供された楽曲という設定で、シティポップとしては分かりやすいビートで上モノもきらびやかな音色が多用されています。4つ打ちを基調としたリズムに軽快かつ上品なストリングスや遊び心のあるシンセリフが乗せられており、オシャレかつ可愛げのあるアレンジが魅力的です。